Column コラム

りんご質問箱

カロリーゼロ・ノンカロリーの秘密

最後に、こちらは歯科とはそれほど関係のないお話ですが、【カロリーゼロ、ノンカロリー、カロリー無し、0kcal】といった表示のある、清涼飲料水やダイエット食品についてのお話です。カロリーゼロには思わぬ落とし穴があるのです。

ノンカロリーでもカロリーがある?

最近は清涼飲料水やダイエット食品などで、『カロリーゼロ』『ノンカロリー』『0kcal』などを売りにしている商品がたくさんあります。これらの清涼飲料水やダイエット食品の成分表示を見ると、やはり高カロリーなスクロース(ショ糖)の変わりに、様々な代用甘味料が使われているのですが、代用甘味料にもそれぞれ少しだけカロリーがあります。つまり、実はこれらの清涼飲料水やダイエット食品は、厳密には『0kcal』ではないのです。

それらなばこれらの表記は嘘じゃないか!というとそうではなくて、食品の成分表示は「健康増進法」に基づいています。この法律の栄養表示基準では、【カロリーゼロ、ノンカロリー、カロリー無し、0kcal】などと表示できる基準が定められており、食品100g(飲料100ml)当たり、【熱量(エネルギー):5kcal未満・脂質:0.5g 未満・飽和脂肪酸:0.1g 未満・コレステロール:5mg 未満・炭水化物:0.5g 未満・ナトリウム:5mg 未満】の全てを満たしていれば、カロリーがあっても【カロリーゼロ、ノンカロリー、カロリー無し、0kcal】と表示することが認められているのです。

なぜゼロでなくてもゼロと表示できるように定められているのかというと、厚生労働省によると「成分を検出する際の誤差を考慮したため」とのことです。これは日本に限らず国際基準も同じ考えに基づいて定められています。

この基準に当てはめると、清涼飲料水であれば、500mlのペットボトル製品なら24kcalまで、1.5lのペットボトル製品なら74kcalまでは【カロリーゼロ、ノンカロリー、カロリー無し、0kcal】と表示できるということになります。

「例え1リットルの飲料を飲んで49kcalを摂取したとしても、成人の1日の標準摂取カロリーである2,500kcalと比べれば問題にならない」というのが厚生労働省の見解ですが、ダイエット中の方など、カロリーを気にする人は注意が必要です。

ノンカロリーの人工甘味料

ただし、これらの天然に存在する甘味料の他にも、天然に存在せず人工的に合成して作られた合成甘味料もあります。

現在多く使用されている合成甘味料には、砂糖の200倍の甘さのアスパルテーム、砂糖を加工して合成され約600倍の甘さのスクラロース、ここ数年に普及してきた新しい甘味料で、アスパルテームと同等の甘さのアセスルファムカリウムなどがあります。

これらの合成甘味料にも、もちろん僅かなカロリーはありますが、甘みがとても強いためごく少量を入れるだけで済むので、カロリーゼロとして扱われます。

これらの人工甘味料には独特の後味があるため、単体で使用せずに天然の甘味料と併用される場合が多いようです。

また、認可される以前から現在に至っても、健康への悪影響が指摘されていますが、これまでに明確な影響は確認されていません。

主な代用甘味料の摂取カロリーと甘さ

主な代用甘味料の摂取カロリーと、砂糖の主成分であり虫歯の原因となる糖類スクロース(ショ糖)と比較した甘みの強さの比は以下のようになっています。

名称 甘みの強さの比 カロリー(kcal/g) 甘みの強さとカロリーの比
スクロース(ショ糖) 1.0 4.0 0.25
キシリトール 1.0 2.4 0.42
ソルビトール 0.6 2.6 0.23
エリトリトール(エリスリトール) 0.7 0.2 0.35
ラクチトール 0.4 2.0 0.2
マルチトール 0.9 2.1 0.43
マンニトール 0.5 1.6 0.31

グラムあたりのカロリーが低くても、甘みが弱ければその分入れる量を増やさなければならないため、単純なカロリーの低さや甘みの強さだけでは、これらの代用甘味料を評価することはできません。

アスパルテームなどの合成甘味料と共に、近年のノンカロリー清涼飲料水に入っていることの多い、ブドウ糖を発酵させて作られるエリトリトール(エリスリトール)は、甘味料の中で最も甘みの強さとカロリーの比が高くなっています。

甘さだけでいうとキシリトールやマルチトールの方が甘いのですが、エリトリトールは摂取カロリーがキシリトールの約10分の1しか無いので、甘みを強くするために量を増やしてもカロリーが高くならず、ノンカロリー製品には最も相性が良いのです。